コスモス寺花だより
◇水仙:≪満開≫
水仙は地中海沿岸が原産地で、ギリシャ神話のナルキッソスが名前の由来です。
シルクロードを通って中国まで運ばれ、泉に住まう水の精、水の仙人と名づけられたのでしょう。日本へは遣唐使が持ちかえったと言われています。
寒水仙、日本水仙、雪中花の名もあります。
花期 12月~2月
本数 3万本。
種類は一重咲きの寒水仙と
八重咲きのチャフルネスの2種類。
「夕闇の水仙や月を胎むらむ」川井乙州
(かわいおとくに、近江の人、蕉門)
◇蝋梅(ろうばい):≪見ごろ≫
◇山茶花(さざんか):≪見ごろ≫
◇椿:≪咲きはじめ≫
〔来年のコスモス〕
・初夏のコスモス:5月下旬~6月下旬
・秋のコスモス:9月中旬~11月上旬
〔四季の花暦〕
・冬:水仙(12月~2月)
・春:山吹(4月)
・夏:初夏咲きコスモス(6月)
紫陽花(6月)
・秋:コスモス(9月~11月)
《真言律宗の祖、叡尊興正菩薩(えいそんこうしょうぼさつ)
一代記を読む》1184
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
京都葉室浄住寺沙門 慧日房慈光 編録
『西大寺毎年七日七夜不断光明真言勤行式』
(さいだいじまいねんなぬかななよふだんこうみょうしんごんごんぎょうしき)
◆【此外道場荘厳等法会作法者。可為綱維之奉行。朝粥中食等世間料理者。可為知事之沙汰。但置此法式者。為令存大概也。然則強勿云綱維之奉行。依事相助。偏勿云知事 沙汰。隨時相議。三人共成乳水之思。一会無為可令成就者也。】
〔このほか道場荘厳(どうじょうしょうごん①)など法会の作法は、綱維の奉行(ぶぎょう②)とするべし。朝粥中食など世間の料理は、知事(ちじ③)の沙汰(さた④)とするべし。ただしこの法式(ほっしき⑤)を置くは、大概(たいがい⑥)を存ぜしめんがため也。しかれば則ち、あながちに綱維の奉行ということなかれ。事に依って相助けよ。ひとえに知事の沙汰ということなかれ。時に随って相い議せよ、三人(⑦)ともに乳水(にゅうすい⑧)の思いを成して、一会の無為(むい⑨)を成就せしむべきもの也。〕
① 道場荘厳=光明真言堂を法会道場として、曼荼羅、祖師像などの画幅や舎利塔、密教法具、幢幡、華鬘などの法具で荘厳すること。
② 奉行=仏の教えを奉じ、それを実践すること。
③ 知事=寺院の雑事や庶務をつかさどる役職。
④ 沙汰=決裁されたことについての指図、命令。
⑤ 法式=法会などを行うその作法と儀式。
⑥ 大概=大部分。
⑦ 三人=ここは綱維と知事の二人であろう。
⑧ 乳水=乳と水が混じれば、区別ができないほど溶け合う状態。
⑨ 無為=平穏無事であること。
(つづく)