二月、きさらぎ(如月)となりました。
暦の上では春の始まりですが、寒さは冬本番のようです。
これからは霜、氷に加えて、雪がみられるかも。
花は水仙から梅に移っていきます。
◇水仙:≪満開≫
水仙は地中海沿岸が原産地で、ギリシャ神話のナルキッソスが名前の由来です。
シルクロードを通って中国まで運ばれ、泉に住まう水の精、水の仙人と名づけられたのでしょう。日本へは遣唐使が持ちかえったと言われています。
寒水仙、日本水仙、雪中花の名もあります。
花期 12月~2月
本数 3万本。
種類は一重咲きの寒水仙と
八重咲きのチャフルネスの2種類。
「むらさきの雪を待ばや水仙花」中川乙由
(なかがわおつゆう、1675-1739、伊勢の人、蕉門)
◇蝋梅(ろうばい):≪見ごろ≫
◇椿:≪咲きはじめ≫
◇梅:≪咲きはじめ≫
〔来年のコスモス〕
・初夏のコスモス:5月下旬~6月下旬
・秋のコスモス:9月中旬~11月上旬
〔四季の花暦〕
・冬:水仙(12月~2月)
・春:山吹(4月)
・夏:初夏咲きコスモス(6月)
紫陽花(6月)
・秋:コスモス(9月~11月)
《真言律宗の祖、叡尊興正菩薩(えいそんこうしょうぼさつ)
一代記を読む》1185
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
京都葉室浄住寺沙門 慧日房慈光 編録
『西大寺毎年七日七夜不断光明真言勤行式』
(さいだいじまいねんなぬかななよふだんこうみょうしんごんごんぎょうしき)
◆【又行法訖後者。記録行事幷施主之名字。撤置僧名及両通〈陀羅尼供養法〉之番帳。可為後年之亀鏡。又土砂箱安置浄処。有所望之人者。不擇親疎。分与之。慇懃勤之。勿捲繁重矣。
以前十一箇条。大概如斯。衆皆守之。敢勿忽諸矣。
文永元年甲子九月十八日。任衆僧之議定記之。
同三年丙寅九月廿二日。依重衆議。同加添削畢。
比丘性海】
〔また、行法訖って後は、行事ならびに施主の名字を記録し、僧名および両通〈陀羅尼。供養法。〉の番帳を撤し置いて(てっしおいて①)、後年の亀鏡(ききょう②)となすべし。また、土砂(どしゃ③)の箱を淨処(じょうしょ④)に安置して、所望の人有れば親疎を撰ばずこれを分与す。慇懃にこれを勤めよ。繁重(はんじゅう⑤)に倦むことなかれ。
以前十一箇条(⑥)、大概はかくの如し。衆みなこれを守り、あえて忽諸(こっしょ⑦)することなかれ。
文永元年(一二六四)甲子九月十八日、衆僧の議定に任せてこれを記す。
同三年(一二六六)丙寅九月二十二日、衆議を重ねるに依り同じく添削を加え畢る。
比丘性海(びくしょうかい ⑧ )〕
① 撤し置いて=撤は徹か。貫き通し置く。
② 亀鏡=キケイとも。てほん。模範。
③ 土砂=光明真言により加持された砂。
④ 淨処=清浄な場所。
⑤ 繁重=忙しく煩わしさが重なること。
⑥ 以前=「以前」は事書(ことがき)が二箇条以上になる場合に用いられる公式様文書(くしきようもんじょ)に倣ったか。
⑦ 忽諸=おろそかにすること。
⑧ 比丘性海=覚證房性海(一二三五-一二九二から九八の間)。出自は摂津四天王寺執行の一族。興正菩薩に近侍して記録係を勤めた。筆録の『関東往還記』(弘長二年・一二六二)、『西大寺光明真言発願供養法次第』(文永元年・一二六四)などは現存するが、『般若寺無遮大会』(文永六年・一二六九)の記録は失われた。大和喜光寺長老。(参照・細川涼一訳注『関東往還記』〈平凡社東洋文庫〉)
(おわり)