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2020年11月 6日 (金)

コスモス寺花だより

11・6
〔コスモス〕

 

≪満開≫

 

「触れたるを以て手の浄ら秋桜」伊丹三樹彦

 

○花期:10月上旬~11月中旬
花はまだ満開を保っています。
昨夜おそい時間に境内へ出てみたら、東の空に雲の間から月が出ていました。そして境内の笠塔婆の前にある水原秋櫻子さんの句碑を読みました。
「唐びとが月をろがみし笠塔婆」という句です。
この句は般若寺の十三重大石塔を建てた宋人伊行末(いぎょうまつ、日本読みでは、いのゆきすえ)の子息、伊行吉(いぎょうきち、いのゆきよし)が父の一周忌に追善のために建てた卒塔婆を詠んでいます。
実は最近、伊氏の故郷、中国明州(めいしゅう、現在は寧波〈ニンポー〉と呼ばれる港町)の名を冠した金柑(きんかん)があることを知り、伊行末親子にお供えをしたく、苗木を購入することにしたのです。寧波金柑(にんぽーきんかん)と言います。伊氏一族は故国に帰らず日本に帰化されたのですが、わが国の石造美術発達に多大な功績を遺された恩人たちです。
鑑真和上の「山川異域 風月同天」の言葉にもあるように、同じ月を拝み、金柑で故郷をしのんでいただけますように、との思いを込めたいと思います。 

 

                                                    
十三重大石塔の柵内ではうすい黄色の「イエローガーデン」が咲いています。そして背が高くて花の大きい「センセーション」や「秋咲き大輪」もいっせいに咲き出しました。ピンクの花びらに白い紋様が入る「ピコティ」や花弁が筒状の「シーシェル」、複弁の「サイケ」、黄色に赤みがさした「キャンパスオレンジ」も咲いています。
今年はこれから11月半ばまで見ごろが続きます。
○種類:10種類
○花の本数:10万本。

 

〔お茶の名産地般若寺の復活をめざして〕
茶の産地を記した日本最古の文献『異制庭訓往来』(いせいていきんおうらい)によると、般若寺は鎌倉時代、お茶栽培の七名山の一つ(栂尾、仁和寺、醍醐、宇治、葉室、般若寺、神尾寺)に数えられていました。この由緒ある「般若寺の茶」を今によみがえらせようと茶樹を増やしています。
今、お茶の花が咲いてます。花は椿の花を小さくしたような白い花です。
「茶の花の首から上や水仙花」森川許六

 

〔白鳳秘仏御開帳〕
宝蔵堂に於いて、9月20日~11月11日。
(別途拝観料200円を申し受けています)

 

〔四季の花暦〕
・春:山吹(4月)
・夏:初夏のコスモス(6月)
   紫陽花(6月) 
・秋:コスモス(例年は9月下旬~11月上旬)
   お茶(9月~11月)
・冬:水仙(12月中旬~2月上旬)

 

《真言律宗の祖、叡尊興正菩薩(えいそんこうしょうぼさつ)
一代記を読む》1185
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
    京都葉室浄住寺沙門 慧日房慈光 編録

 

(休止中)

 

 

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