コスモス寺花だより
3・31
三月の月末、となりました。
昨日、東京や大阪で桜の開花が宣言されました。
当寺でも大木の染井吉野が咲き出し、小さな枝垂桜は見ごろになっています。
〔今、咲いている花〕
〇レンギョウ(連翹):≪咲きはじめ≫
「連翹の一枝づつの花ざかり」星野立子
〇サンシュユ(山茱萸):≪見ごろ≫
山茱萸は朝鮮中部の原産。本邦へは江戸時代に漢方薬として入る。日本名、「はるこがねばな」
〇ワビスケ(侘助):≪見ごろ≫
侘助は寒椿の一種で、薄桃色の胡蝶侘助。
〇ツバキ(椿):≪見ごろ≫
「椿落ちてきのふの雨をこぼしけり」与謝蕪村
藪椿や乙女椿などが咲いています。
〇サクラ(桜):≪つぼみ≫
当寺境内の一角、鎮守社の前に、山桜の一種で「重衡桜(しげひらざくら)」と命名された大きな木があります。山桜なので花と同時に葉っぱも出てきます。この木は今から60年前に現住職が重衡の首塚があったとされる通称「文殊山」から移植したものです。
〇紫陽花とコスモス育成の現状:
まだ寒い日もありますが、全体に暖冬の影響からかアジサイもコスモスも開花が早まりそうです。
・アジサイは冬の間に寒肥を施し、枯れ枝の剪定をしました。緑の新芽は日に日に大きくなっています。
・初夏咲きのコスモスは2月に種まきした分が発芽しているので、気温の上昇とともに大きくなるでしょう。
〔花暦〕
・春:梅(2~3月)、椿・桜・桃(3~4月)、
山吹(4月)、梅花うつぎ(5月)
・夏:初夏のコスモス・紫陽花(5月~6月)
未草・百日紅・秋海棠(6月~8月)
・秋:萩・紫苑・彼岸花(9月)
コスモス(10月~11月)
お茶(10月~12月)
・冬:水仙(12月~2月)
〔花期特別拝観料のご案内〕
昨年と同じく、アジサイとコスモスの花期には特別拝観料を申し受けます。
◆「花期特別拝観料」
・期間;( 花期は気象条件により変動しますので、今のところ暫定花期です。正確には1か月前位に判明すると思われます。)
(1)アジサイ花期:5月下旬~6月下旬(5/25-6/30)
(2)コスモス花期:9月下旬~11月上旬(9/21-11/10)
・拝観料:(団体料金はありません。)
〇 大人 700円
〇 中・高生 300円
〇 小学生 200円
〈各種優遇割引〉
〇 奈良交通「ワンデイチケット」等割引券提示 600円
〇 身障者手帳・奈良市「ナナマルカード」提示 400円
◆「平常期拝観料」は現行通りです(大人500円)。
〔駐車場ご利用について〕
《駐車料金》:乗用車・大型バイク
*当寺の参拝専用駐車場は「般若寺護持会」によって運営されています。護持会の取り決めにより、
◎ 1時間500円
を申し受けることになりました。
(バスは1時間2000円)
*般若寺駐車場は一般駐車場ではございません。
あくまで般若寺参拝のために設けられた駐車場なので、
本駐車場に駐車して刑務所、牧場、奈良公園等、外へ出かけることは固くお断りいたします。
(この駐車場用地は明治維新で国に没収された旧境内地3万6千坪の一部737坪を、ほかの全てを犠牲にして、2度にわたり2億円を投じて失地回復したものです)
〔お茶と奈良晒の名産地であった般若寺〕
・茶の産地を記した日本最古の文献『異制庭訓往来』(いせいていきんおうらい)によると、般若寺は鎌倉時代、お茶栽培の七名山(栂尾、仁和寺、醍醐、宇治、葉室、般若寺、神尾寺)の一つに数えられていました。当時、病者救済の活動をされた高僧、良観上人忍性菩薩が薬種用に植えられたのが始まりと伝わります。
・また般若寺は中世から近世にかけて奈良晒(ならざらし・麻織物)の産地としても有名でした。『大和名所図会』によると、佐保川の河原で大釜でゆでて柔らかくした麻布を川の水で曝し、さらに般若寺の山に干して製品化していたようです。江戸期の『般若寺寺領絵地図』には「曝干場」の記載があり、門前には晒屋が軒を連ね、高品質と日本一の生産量を誇ったと伝えます