コスモス寺花だより
10・17
昨夜のテレビ報道で、日光の紅葉が遅れ、観光農園の柿の実が色づかないと秋の気候異変を報じていました。
今日の奈良は晴天、気温は28℃から29℃まで上がり真夏日になるとか。
コスモスはあと数日で満開状態になると思われます。
「コスモスの花ゆれて来て唇に」星野立子
「コスモスの繚乱たるは景をなし」清崎敏郎
「コスモスの咲き乱るるよ旅人に」村山古郷
うすい黄色のコスモス、「イエローガーデン」が
十三重大石塔(重文・鎌倉時代)の黒っぽい石檀を背景に咲き誇っています。
また、三十三番の観音石像のやさしいお顔を飾って、ピンクに白の斑が入ったピコティが咲いています。
これからは国宝・楼門への小径、お不動様のカンマン石、マカバラ石、重文・笠塔婆、般若寺型石灯籠、平重衡塔、藤原頼長塔のまわりでも「秋咲巨大輪」の大きな花が見られます。
今年は開花が遅れたのでコスモス花期を、
10月10日~11月17日
に変更しています。
〔美緑(みりょく)の庭ご案内〕
この秋、般若寺の境内に小さな庭園が出来上がっています。
奈良在住の庭師、永井隆二さんの作品で、古い石材を再利用し、木立に苔と草花をうまく配置し、とくに珍しいのは版築(はんちく)土塀を復元して庭の景色としているところです。周囲の森の緑や鐘楼の丹塗りの柱を後景にして、清寂な境内空間にしっとりとよくなじんでいます。
そして観る人の心に潤いを与えてくれます。
どうぞ現代の庭芸術をお楽しみくださいませ。
〔花暦〕
・春:梅(2~3月)、椿・桜・桃(3~4月)、
山吹(4月)、梅花うつぎ(5月)
・夏:初夏のコスモス・紫陽花(5月~6月)
未草・百日紅・秋海棠(6月~8月)
・秋:萩・紫苑・彼岸花(9月)
コスモス(10月~11月)
お茶(10月~12月)
・冬:水仙(12月~2月)
〔花期特別拝観料のご案内〕
昨年と同じく、アジサイとコスモスの花期には特別拝観料を申し受けます。
◆「花期特別拝観料」
・期間;
(1) コスモス花期:9月下旬~11月上旬(9/21-11/10)を
10月上旬~11月中旬(10/10~11/17)に訂正します
(2) アジサイ花期:5月下旬~6月下旬(5/25-6/30)
・拝観料:(団体料金はありません。)
〇 大人 700円
〇 中・高生 300円
〇 小学生 200円
〈各種優遇割引〉
〇 奈良交通「ワンデイチケット」等割引券提示 600円
〇 身障者手帳・奈良市「ナナマルカード」提示 400円
◆「平常期拝観料」は現行通りです(大人500円)。
〔秘仏公開のご案内〕
白鳳阿弥陀如来と体内仏三尊、そのほかの宝物を特別公開いたします。以前は春秋二回でしたが、現在は秋のみとなっています。
日程:10月5日~11月4日
時間帯;午前10時~午後4時
特別拝観料:お一人様300円(入山拝観料とは別途に頂戴いたします)
会場:当寺宝蔵堂
〔駐車場ご利用について〕
《駐車料金》:乗用車・大型バイク
*当寺の参拝専用駐車場は「般若寺護持会」によって運営されています。護持会の取り決めにより、
◎ 1時間500円
を申し受けます。
(バスは1時間2000円)
*般若寺駐車場は一般駐車場ではございません。
あくまで般若寺参拝のために設けられた駐車場なので、
本駐車場に駐車して刑務所、牧場、奈良公園等、外へ出かけることは固くお断りいたします。
(この駐車場用地は明治維新で国に没収された旧境内地3万6千坪の一部737坪を、ほかの全てを犠牲にして、2度にわたり2億円を投じて失地回復したものです)
〔お茶と奈良晒の名産地であった般若寺〕
・茶の産地を記した日本最古の文献『異制庭訓往来』(いせいていきんおうらい)によると、般若寺は鎌倉時代、お茶栽培の七名山(栂尾、仁和寺、醍醐、宇治、葉室、般若寺、神尾寺)の一つに数えられていました。当時、病者救済の活動をされた高僧、良観上人忍性菩薩が薬種用に植えられたのが始まりと伝わります。
・また般若寺は中世から近世にかけて奈良晒(ならざらし・麻織物)の産地としても有名でした。『大和名所図会』によると、佐保川の河原で大釜でゆでて柔らかくした麻布を川の水で曝し、さらに般若寺の山に干して製品化していたようです。江戸期の『般若寺寺領絵地図』には「曝干場」の記載があり、門前には晒屋が軒を連ね、高品質と日本一の生産量を誇ったと伝えます。
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