コスモス寺花だより
11・26
ようやく木々の葉っぱが色づいてきました。
コスモスは大方終わりましたが、最後に植え付けた数万本の苗が3,40㎝の高さで大きな花を咲かせています。
〇コスモスの開花状況:≪なごりの花≫
「コスモスの花ゆれて来て唇に」星野立子
「コスモスの花あそびをる虚空かな」高濱虚子
「コスモスや花おとろへずみだれそめ」水原秋櫻子
〇秋咲きのチョコレートコスモスが開花してきました。
9月に小さな苗を購入し鉢植えで育てましたが、花は50センチの高さになっています。30本。
花の色、香りがチョコレートに似ている不思議なコスモス。
〇マユミ(檀、真弓)の実:春に咲く花は葉っぱと同じ緑色なので目立ちませんが、秋の実はピンク色の袋状の覆いが四片に割れて中から濃い赤色の実がぶら下がります。
まるで花が咲いているように。
昔は弓の材料に使われたのでこの名前になったとか。
〇チャ(茶)の花:≪見ごろ≫
2,3㎝の小さな花が咲いています。五弁の白い花びらの中に黄色い蘂が見えます。花のあとには緑の大きな実がつき、茶色の種が実る。
〇スイセン(水仙):12月~2月開花
〔花暦〕
・春:梅(2~3月)、椿・桜・桃(3~4月)、
山吹(4月)、梅花うつぎ(5月)
・夏:初夏のコスモス・紫陽花(5月~6月)
未草・百日紅・秋海棠(6月~8月)
・秋:萩・紫苑・彼岸花(9月)
コスモス(10月~11月)
お茶(10月~12月)
・冬:水仙(12月~2月)
〔拝観料〕
◆11/11より「平常期拝観料」(大人500円)に戻しています。
〔駐車場ご利用について〕
《駐車料金》:乗用車・大型バイク
*当寺の参拝専用駐車場は「般若寺護持会」によって運営されています。護持会の取り決めにより、
◎ 1時間500円
を申し受けます。
(バスは1時間2000円)
*般若寺駐車場は一般駐車場ではございません。
あくまで般若寺参拝のために設けられた駐車場なので、
本駐車場に駐車して刑務所、牧場、奈良公園等、外へ出かけることは固くお断りいたします。
(この駐車場用地は明治維新で国に没収された旧境内地3万6千坪の一部737坪を、ほかの全てを犠牲にして、2度にわたり2億円を投じて失地回復したものです)
〔文殊四郎包永(もんじゅしろうかねなが)と般若寺〕
鎌倉時代、鍛治屋町であった手貝町あたりに住んでいた包永が般若寺の文殊菩薩に良い刀が作れるようにと祈願したところ、一人の童子が現れ刀を鍛えるのを手伝ってくれたそうです。
その刀は大変よくできていて後世、「名刀包永」と称えられました。そして般若寺から「文殊四郎」の名を賜ったそうです。
寺には文殊家の家系図が残され、住んでいた町は今も包永町(かねながちょう)と呼ばれています。
〔お茶と奈良晒の名産地であった般若寺〕
・茶の産地を記した日本最古の文献『異制庭訓往来』(いせいていきんおうらい)によると、般若寺は鎌倉時代、お茶栽培の七名山(栂尾、仁和寺、醍醐、宇治、葉室、般若寺、神尾寺)の一つに数えられていました。当時、病者救済の活動をされた高僧、良観上人忍性菩薩が薬種用に植えられたのが始まりと伝わります。
・また般若寺は中世から近世にかけて奈良晒(ならざらし・麻織物)の産地としても有名でした。『大和名所図会』によると、佐保川の河原で大釜でゆでて柔らかくした麻布を川の水で曝し、さらに般若寺の山に干して製品化していたようです。江戸期の『般若寺寺領絵地図』には「曝干場」の記載があり、門前には晒屋が軒を連ね、高品質と日本一の生産量を誇ったと伝えます。
・般若寺にはこのほか「宮本武蔵の決闘」や「大塔宮御危難」、「本性房の武勇伝」「平家の南都焼き打ち」「北畠顕家の般若坂の合戦」「壬申の乱における奈良山の戦い」など歴史上名高い話がいっぱいあります。これから冬になればゆっくり調べられますので、おいおいご紹介していきます。